適当に朝ごはん食べて4時15分出発。いくつか先行するヘッドライトが剱岳に見える。といっても2、3個。一昨年の夏、剣沢に泊まった時は夜明け前にすでに山頂まで行列のようにライトが続いていて仰天したので、それと比べれば慎ましやかなものだ。
剣沢小屋を過ぎ、少し行ったところで彼女と相談をして彼女は剱岳をやめておいて、俺が単独で登ることにした。彼女は登ることにかけてはむしろ俺よりも強いくらいなのだが、岩場と下りを苦手としているので剱岳とは相性が悪い。それでもゆっくりならいけるんじゃないかなと思っていたが、この辺ですでにけっこうペースが遅く、これで剱岳を往復するというのはリスクが高めと判断した。本来であればパーティーとして俺もやめておくべきではあるのだが、俺も次いつ剱岳にチャレンジする機会があるかわからない。というか今回がラストチャンスの可能性も高い。なのでここはお願いして俺一人で行かせてもらうことにした。
もちろん一般登山道なので鎖も足場もあるのだが、それでも足を鉄棒にかけて鎖を握って全体重を持ち上げなければならない。これアタックザックだからいいけど、テント泊の荷物だったら無理だわ。高度感もめっちゃあるし、ちょっと来たことを後悔している。でもここまで来たからにはここで撤退するわけにはいかない。慎重に…と言いたいがそれだと余計力がいるので南無三!という気持ちで一気に登る。
カニのタテバイを登ったところで先行者が降りてきた。少し話をしたが、山頂は一人きりで写真も撮れなかったよと言っていたので、カニのヨコバイの入り口で写真を撮ってあげた。
カニのタテバイをすぎればもう難所はなく、7時40分に登頂。電波があるので彼女に電話したら、iPhoneの最大倍率でみると人影がわかるということで撮ってもらった。これだけ 登頂しがいのある山に登ったのが久しぶりなのでしばらく感慨に耽っていると後からソロが二人やってきて、それぞれで写真を撮りあった。しかし一人はわりと熟練者っぽかったけどもう一人はかなり初心者っぽさがあり、なんと剱岳の山頂までポール2本を手に持ってきていた。しかもテン泊のようなでかいザックなので、早月尾根から登ってきたのかな?と思ったら「アタックザックないから全部持って剣沢から登ってきた」と。おお、そりゃ 人の勝手だけど、ちょっと怖いな。無事降りてくれ。8時15分、下山開始。下りで使うカニのヨコバイもかなり高度感あって怖かった。でも俺はタテバイのほうが怖かったな。ヨコバイは下りなので進行方向と足元を見る視線が一致するけど、タテバイは上りだから進行方向と足元の視線がバラバラなのが怖い。平蔵の頭というところに小屋跡があった。現存する小屋はトイレ跡だった。避難小屋のあった場所は平で、テント1、2張はできそうだ。というか実は昨晩もこの辺りに明かりっぽいのが見えたので一張りくらいいたのかもしれない。ここからがんばって下山したのだが、思ったより早くならず、剣沢に戻ったのは10時45分。めっちゃ疲れた。テントは彼女が片付けてくれていたので、しばし休憩(寝てるのは彼女)。11時半に剣沢を出発。真砂沢を下っていく。紅葉がとてもきれいだ。一昨年も通った道だが、真砂沢はけっこうロープが多い。登山地図だと一般登山道になっているが、上高地周辺の登山道と比べたら難路にしておいてもいいくらいだと思う。実際この日二人この道で怪我をしてヘリで運ばれていた。真砂沢の渡渉地点。夏は雪渓が残っているので雪渓の上を渡るのだが、この時期になると雪渓が渡るほど残っていないのでどこかで沢を渡る必要がある。それでロープが渡してあるのだが、この岩をどう使って渡ればいいのかとても考えさせられた。一応うまく使えば濡れずに渡れるのだが、思いつかなかったら落ちてしまうというまるでボルダリングのような沢渡りだ。雪渓が見えて綺麗なので少しだけ入っておいた。15時30分真砂沢ロッジに到着。テントの受付をしながらお湯を売ってもらえないか聞いたが売ってないということだった。ということでまた今日も横のテントの方にバーナーを借りてお湯を沸かした。翌日は6時出発予定でそこまで早くないのだが、今日は早朝から剱岳登ってここまで来たのを考えると11時間近く行動している。疲労を少しでも回復させるため19時ごろ就寝した。
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