Sunday, October 19, 2014

2014-10-08 北アルプス黒部峡谷縦走 秘湯めぐり7日間2日目 ババ平〜槍ヶ岳 あるいは情念にも似た紳士的態度

4時前に起きて外に出ると満月は山に隠されある程度星が見えた。そして思ったよりも寒くない。おそらく4、5度はあるだろう。朝、凍えながら霜の降りたテントを畳むのが本当に憂鬱なのでこれは非常に助かる。

昨晩話をしたEさんがトイレの写真を撮っておられた。そう、ババ平のトイレは自分が知るかぎり北アルプストイレ逆ミシュランで星三つにふさわしいザ・山トイレである。前も書いたが今回も書いておくと、隙間だらけのベニヤの扉、足ポンプ式だが水勢が弱く流れていない物、ときにテン場まで流れてくる香り、まったくもってグレートである。下から登ってくるひとはぜひとも槍沢ロッヂで済ませておくことをお薦めする。(しかし槍沢ロッヂはバイオトイレなんだけど、俺はバイオトイレのあの独特の匂いがかなり苦手である)

Eさんは今日槍に登ってまたババ平に戻ってくるつもりだという。それなら時間あるし今日は天気がいいから天狗池見にいったほうがいいですよ!というと一緒に行きましょうという話になった。山で知り合った方と道中を同じくするのは初めてだけど楽しいことになった。ほぼ6時ちょうどに出発。

グリーンバンド近くにくると槍ヶ岳が目の前に見えてくる。槍は初めてというEさんのテンションが上がる。俺も上がる。Eさんは昨日槍沢ロッヂから見える槍のあまりの小ささにかなりがっかりしていたらしいw 紅葉はほぼ終わりかけだったけどこの一帯はある程度残っていてそこそこ見応えがある。

そしてルート上に荷物をデポして天狗原方面へ40分歩いて天狗池へ。見事な快晴に無風の天狗池に映る逆さ槍!あー昨日ババ平まで登って今日の時間を確保してよかった。

槍ヶ岳山荘まで登ったら、少し休憩してから槍の穂先へ。写真ではちょっと飛んじゃってるけど穂高の先に乗鞍岳、御嶽山の噴煙が見えた。穂先はさすがに風があってなかなか寒い。

山荘に戻るとEさんがラーメンをおごってくれました。なんて太っ腹な!実は自分、山荘に泊まることも稀ならば山荘のご飯を食べることもないのでおそらくこれが初めて山荘でちゃんとしたご飯を食べた経験ですw スープまで全部いただき体も心も温まりました。ごちそうさまでした。

その後テントを張り、Eさんが下山していくのを見送ります。上から見ていたらザックから山荘で買った缶ビールを落として破裂させ、ものすごくがっくりしている様子が見えたw でも殺生ヒュッテに寄ってまた買っていくとのことだったのでおそらく夜は飲めたことでしょう。

ところで以前山で泳いでいる写真を山女子に送ったところ「変態ですね」と返ってきた。そこで俺が「元々はパンツで泳いでいたけど山の景観を保護するため水着で泳ぐようになったわけで非常に紳士的である」と申し上げると「パンツも水着もあまり変わらない」と言われた。なんてことを!パンツと水着が一緒だというなら、ギャルが太陽の降り注ぐビーチでブラとパンティで泳いでても一緒だということになるじゃないかッ!!もしそんな女子がいたら俺はド変態だと思うし、付き合ってくださいッ!!!そのような想いを込めて常念岳の写真を撮っておきました。

アーベントロートに染まる槍ヶ岳と満月。この日は皆既月食です。

そして西側を見ると雲海が出てきてそこに日が沈んでいく。昼間はよく晴れてたから雲海はないかなーと思ってたけどうまく雲海が出てきてラッキー。

少しずつ月が欠けていく。ここが3000mだということも相まって非常に幻想的な雰囲気。

突然ですが右が槍ヶ岳山荘のスタッフのIさん。槍ヶ岳山荘にいくたびにいろいろ参考になるお話を聞かせていただいている、親切でダンディーな山男。俺もIさんのような山男になりたい…!!そしてモテたい…ッッ!!

皆既月食が進むと月明かりがなくなるので満天の星空が見えてきた。しかも雲海が出ているので街の灯はかなり抑えられている。大きな流れ星も見えたし。なお後日、麓の大町から登ってきたひとと話をしたんだけど雲が出てあまり月食が見えなかった、とのことだった。なんか申し訳ないw

ちなみに隣で撮影している方が名古屋市科学館で働いてる方でした。自分は小学生のとき毎月名古屋市科学館にいっていたので、名古屋市科学館への愛を伝えておきました。

体が冷えてきたので月食の終わりまでは見ないで、早々にテントに退散。穂先の水たまりがかなり堅く凍っていたので氷点下数度になることを覚悟しかなり着込んでからシュラフに入り就寝。

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