Saturday, December 20, 2008

CANDY

あるところにずいぶんと痩せたサンタクロースがいました。

袋はいっぱいなのですが、歩き方もよたよたと頼りなさげです。

今年もソリに乗って街にやってきますと、子どもが駆け寄ってきていいました。

「サンタさん、僕にプレゼントをおくれ」

彼はにっこり笑うと、袋からあめを一つ取り出し子どもに渡しました。

「なんだい、あめ玉ひとつだなんて。他のサンタさんはもっといろんなものをくれるよ」

彼は少し悲しい目をしましたが、子どもの手を取りいいました。

「僕は他のサンタと違って貧乏なんだ。だからこれしかあげられない」

「でも代わりに、僕は世界中の子どもにこのあめをあげなくちゃいけない」

「そして、一つあげたら、笑顔を見せてもらわないと次の子どもにあめをあげられないんだ」

子どもは最初ちょっと困った顔をして、少し考えてから言いました。

「わかった、サンタさん、あめをありがとう!」

サンタは、大きくうなずくと子どもに手を振ってソリに乗りました。

雪は白く、白く、輝いて。

世界中の子どもに、一かけらの愛を。

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Now playing: 原田真二 - キャンディ
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