Monday, August 18, 2008

No title

積ん読

この前「宇宙のエンドゲーム」について少し書きましたが、家に帰って机の横の本棚を何気なく見たらハードカバー版の宇宙のエンドゲームが置いてありました。 工エエェェ(´д`)ェェエエ工工

ボクはとりあえず本を買ってしまうクセがあるので、たまにこういうことをやってしまいます。しかしちくま文庫はちょっとお高いのでショックです。面白かったからいいんだけどね…。ちなみに以前は「不完全性定理」という本をアマゾンで注文して、読み終わった後に読んだことがあることに気がつきましたw

範馬刃牙 14 (14) (少年チャンピオン・コミックス)板垣 恵介

グラップラー時代、BAKI時代、範馬刃牙時代と確実に着々とむちゃくちゃなマンガになってきているバキですが、今巻はまあまだマシなほうだったのかもしれないw まあマンガだからむちゃくちゃなのはいいんだけどさ、このマンガの性質として一応現実世界にある程度根ざした世界観なはずで、そうするとちょっと物理学的においおいってところが多いですよね。今巻だとピクルがトラックを投げるシーンがあるけど、柔道で小さい人間が大きい人間を投げられるのは巻き込むようにしてさらに勢いをつけるからです。ピクルはゆっくりとトラックを持ち上げて投げるという離れ業をやってのけたけど、明らかに力学的におかしな図になってますw 大きく見積もっても体重200kgのピクルが勢いもなしに数十トンのトラックを横から持ち上げるというのは、「200gのマウスと5kgの重りを天秤にかけたとき、マウスがものすごく力を入れると天秤がマウスのほうに傾く」と言ってるようなものです。

ところで14巻にこんなシーンがありました。

あれ? この二人なんか見たことあるな…と思って13巻を出してみると…





時間と確率

突然ですが陽子は1032年くらいで崩壊しガンマ線を放出します。陽子が崩壊すれば原子核は存在できず、宇宙から物質らしい物質はなくなってしまいます。「宇宙のエンドゲーム」を読んだ後では1032年が近い未来のような気がしちゃいますが、100000000000000000000000000000000年後ですから、まあボクが生きてる可能性はあんまりありませんね。もちろんこれは陽子の「平均寿命」であって、この年月で一気に崩壊するわけではありません。宇宙が生まれてからたった13700000000年しか経ってない現在でも崩壊する可能性はありますし、1032年後も長く陽子は存在してるでしょう。

しかしボクの疑問はですね、「どうして陽子は1032年という時間の経過を知ることができるのか」ということです。陽子はバリオンなので厳密には素粒子ではないけれど、それでも「数日で肉が腐る」というような化学的反応は起こしません。量子力学の言葉に「量子には顔がない」というのがあるけど、これは量子はどれもまったく同じであり、区別できないことを表しています(厳密にはそれだけじゃなく、顔がないことにより量子的効果が発生することを意味している)。ということは、今ある陽子も、1032年後の陽子も「まったく同じ」であり、崩壊に向けて劣化しているということもないのです。つまり陽子の崩壊とは量子力学の確率的な問題なんですね。

じゃあこの「確率」は、何の確率なんでしょうか。例えば普通の六面体のサイコロで一の目が出る確率は1/6だけど、これはサイコロを一度振るのを1とカウントして、振った回数と出た目の比で求められる。陽子の場合、何が「振る」行為にあたるんだろうか。陽子はこの「振り」を知らないと、自分がいつ崩壊すればいいのかがわからない。

ボクは今のところ物理学者じゃないのであてずっぽうなんだけど、この「振り」はプランク時間じゃないだろうか。プランク時間というのは量子論で使われる時間の最小単位で、10-44秒にあたる。これより短い時間は物理学的に意味がない。1032年と合わせると、陽子はプランク時間を基準にして1/1083の確率で崩壊する(1年を107秒にした)、というわけだ。

プランク長

小さいころ、ボクは「なぜ人は動くことができるのか」ということがとても不思議だった。1m動くためにはまず1cm動かねばならず、1cm動くためには1mm動かねば…というように、ある距離を動くためにはまずそれより小さい距離動く必要があり、動くためには無限に小さい距離を動く必要が出てきてしまい結局人間は動けないはずではないとか、と思ったのだ。これはゼノンのパラドクスの一つであり、「まず動きがあるのであって、移動の積み重ねが動きなのではない」と答えることも可能だろう。

でもボクは思うに、物質、究極的には個々の素粒子、は連続的に動いているのではなくプランク長(「プランク時間×光速」の距離、これより短い距離は物理学的に意味を持たない)を離散的に移動しているのではないだろうか。プランク長の移動が確率的に起こると考えればいいのだ。


2 comments:

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    プランク長ずつ離散的に移動するっていうのはべたにそうなんじゃない?って僕も素人的に思います。でも離散っていうのもくせ者の概念だよね。だってある瞬間に僕らがバラバラになってもおかしくないわけでしょ?でも詳しいひとに聞くと言ってることが良くわからないのが悲しいw

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    もちろんバラバラになる可能性はあるけど、人体がばある瞬間にバラバラになる可能性は、低く見積もって、10の数百乗年くらいに1回の出来事だと思います。そしてその年月が経つ前に物質的粒子は崩壊するので、実際に起こることはないんじゃないですかね。
    プランク長ずつ移動はいいとして、実際には力をすべて量子と場に変換して考えなくちゃいけなくなるので理論的には多分大変なことになると予想できます。あー物理学者じゃなくてよかった。

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