Wednesday, May 21, 2008

アカデミズム

 うちの大学の食堂は生協が運営しているので、生協の一言カードが貼ってある。「生協の白石さん」で一気に知名度を得たアレだ。ちなみに白石さんは農大に行く前うちの店舗で働いていたが、そのとき俺は生協で働いていなかった。しかしやたらよく行くので顔を覚えていたらしく、用事で来たときに客だったはずの俺がカウンターに立ってて驚いたらしい。

んで、学食に貼ってある一言カードにちょっと思うところがあった。「学食で流れている音楽がJ-POPばかりだ。そういう軽薄な音楽はアカデミックな場にふさわしくないのでクラシックのみ流すようにするべきである。」こんなようなカードが貼ってあったのだ。それに対する返事は「生協全体で決められた有線のチャンネルを流しているのでご希望に沿えなくてすみません」みたいな妥当なものだった。

ボクはアカデミズムの信奉者だけど、こういう意味のないアカデミズムごっこは本当に心底くだらないと思う。J-POPが軽薄でクラシックが高尚だって考えがまったくもって浅はかだし、たとえJ-POPが軽薄であろうとも軽薄な音楽はアカデミックな場で流してはいけない、というのはなんてつまらない考えなのだろうか。こういう考え方は真のアカデミズムにとって真っ先に唾棄すべきものだとボクは信じています。


ボクの働いている生協のある早稲田大学の戸山キャンパスは文学部があるところで、村上春樹が卒業しているところなので村上春樹の本はやたらよく売れます。ボクも村上春樹を本格的に読み始めたのは大学に入ってからだけど村上春樹の本はほとんど全部読んでいます。そして村上春樹と言えばやっぱり一番の代表作はノルウェイの森であるわけで、生協でもノルウェイの森が一番よく売れます(ボクはエッセイの「遠い太鼓」が一番好きだ)。でもノルウェイの森ってさ、おっぱいとかオナニーとかフェラとか手コキとかセックスとかのことばっかりだよね。だからギャルがノルウェイの森を買っていくとちょっと萌えます。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫)ノルウェイの森 上 (講談社文庫)村上 春樹

しかしぼくもこの日記を10年近く書いているわけだけど、その間に何回ちんぽとかまんことか使ったかとか調べるととんでもないことになりそうです。そういった行為はお控えください。

ところで昔から疑問に思ってることがあって、ノルウェイの森が発売になるとき講談社は社を挙げてキャンペーンを行い、講談社のビルは赤と緑になっていたと聞いたことがある(というか村上春樹がそう書いてた)。しかし発売前にはどれくらい売れるかわからないわけで、どうしてそんなキャンペーンができたのだろうか? 編集者や編集部が読んで、これは絶対にミリオンセラーになると確信できたんだろうか。


生協で人文書の担当なので自分の趣味で「マスターベーションの歴史」「ペニスの文化史」「ヴァギナの文化史」など作品社のシリーズを揃えてますが、そこそこ売れてます。けっこうまとめ買いとかある。でも性教育関係の本はほとんど置いてありません。新刊で入ってくることはあるから中身を読んだりはするんだけど、なんで性教育の本というのはあんなに「わかってない」んだろうね。中学生や高校生に直接読ませる性教育の教科書ならまだしも、教える側が読む理論書、学術書の内容まであまりにも「性」を単純に捉えている。しかし「性」に関する学術書がすべて性を単純に捉えているわけではなく、「性教育」の本だけが性を単純化しているのである。例えば最近の新刊では「思春期の性」という本があったけど、んなアホな、ということばかりだった。ところがアマゾンの内容紹介ではこれが「建前から導かれたものではない本質的で実際的な問題解決の方図」なのである。ボクからしたらこんなもん建前どころか空想で書いたとした思えない。もう少しまともな性教育の本が出てこないもんかなと思う今日この頃です。

ヴァギナの文化史ヴァギナの文化史イェルト ドレント

今日はいつものドトールではなく東中野のミスドで猫と一緒にまったり。


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