Thursday, October 6, 2005

『超光速粒子タキオン』

超光速粒子タキオン―未来を見る粒子を求めて
超光速粒子タキオン―未来を見る粒子を求めて
本間 三郎

相対性理論が光速を最高速度と定義することによって得られた理論であることは知られているが、なぜ光速が最高速度でなくてはいけないのか、もし光速を超えるとどんな現象が起きるのか、ということは相対性理論の本には書かれていない。

タキオンとは光速を超える粒子全般の名称である。もちろんこの本が書かれたときも現時点でも仮想だから、その性質は明らかになっていない。だからタキオン関係の本ではたまになんでもありの仮定をして理論構築しているものもあるが、本書では最低限かつ現実的な仮定の下に理論を建て、そこから得られる実証的なポイントを問題にするという単なる物理学的問題ではなく、科学論的な観点からもうなづける議論を展開する。

タキオンは、超光速という最初の仮定からすぐ得られるように、質量が虚数でマイナスエネルギーを持つこともあるという非常に非現実的な(または、非宇宙的な)存在なわけだが、これはエネルギーを放出すればするほど速くなるということを意味する。そしてゼロエネルギーのタキオンは無限大の速度に達する。無限大の速さということは、一つのタキオンがある瞬間に全宇宙の全空間に同時に存在するということになる。これはつまり、「タキオンの存在の不確定さが宇宙全体に拡がっている」ということだ。そう、無限大速度のタキオンは、一つの粒子であり宇宙そのものだとも言えるのである。

タキオンが存在するかどうかはともかくとして、超光速という概念が相対論にどう影響を与えるかは今後も重要な研究対象だと思う。単に因果律が崩壊する可能性だけでなく、相対論的な光速が意味するのは時空ではなく、時間のみであるかもしれないからだ。

光速=時間。

実はこれは小学生のときからボクが相対論に対して持っているイメージに他ならない。時間の流れとはすなわち光速からの遅れではないか。そう仮定したとき、「もっとも速く時間が流れるところ」はどこなのか。非常に興味のそそられる問題です。