Friday, September 16, 2005

『方励之が語る 宇宙のはじまり』

久しぶりのセックスで、二日ほどオナニーを我慢して臨んだら突いてる最中に勝手に精液が出てしまった。射精してる感覚はなかったのに。まさに溢れるという感じ。しかし勃起はし続けたので、そのまま二連発という形でフィニッシュ。これもエビオスパワーか。寝る前にもう一度挑戦しようかと思っています。

方励之が語る宇宙のはじまり―最初に何が起こったか?
方励之が語る宇宙のはじまり―最初に何が起こったか?
方 励之, 李 淑嫺, 佐藤 文隆, 青木 薫

序文で「数学は極力使わないようにし」と書いてあるけど、ブルーバックスの中ではかなり数式が多い部類に入ります。今まで読んだ天文・物理関係の中では一番多いかも。まだ読んでない『高校数学でわかるシュレーディンガー方程式』はこれよりも多そうだけど。あと、数学関係のブルーバックスはもちろんこれらより多い。で、この本も数式自体はそんな高等数学ではない。むしろ式自体は中学数学に毛が生えた程度。物理的な説明が省かれている部分があるので、その辺に関しては難しいかもしれんけど。

ちょっと突っ込みたいところや理解できなかった部分があり、コメントが長くなりそうなので今回は初の前編後編分割にしよう。今日は前編。1章から6章まで。

中国人だけあって中国の故事、中国哲学に関する言及がけっこう多いんだけど、中国に限らず西洋における哲学と天文の関係もかなり書かれている。1章ではアリストテレスの『物理学』、トマス・アクィナスの神の宇宙論的証明、カントの進化論的宇宙観が述べられます。特にカントの宇宙観が単なる思弁的哲学ではなく、ちゃんとした科学的知識と予想に基づいたものであったことは認識しておく必要があるだろう。
カントは、太陽系はガス状星雲から形成された、と説く。最初の星雲は非常に大きかったが、自己重力のために収縮し、ついには圧縮されていくつかの惑星、衛星、そして太陽になった。

これは紛れもなく現代的太陽系形成論と同型だと言えるでしょう。また、ラプラスも現代では数学者として知られていますが、カントの上記の考え方に鋭い批判を行っています。カントは斥力を導入して太陽系の回転を説明したんですが、ラプラスは斥力がなくても万有の重力だけで説明できる、つまり角運動量の保存を使ったんですね。この考えも単なる数学的なものではなく、物理的世界を説明する有効な手段でした。

ところでこの本には書かれていないけど、ブラックホールの概念を一番最初に考えたのはラプラスであることも知っておいていいことだと思います。ブラックホールはアインシュタイン方程式のシュバルツシルト解によって相対性理論的に予想されたために有名になりましたが、ニュートン物理学でもちゃんと出てくるんです。しかもラプラスの出した答えは100年ちょっとあとのシュバルツシルトと同じ値でした。これは興味があるのでそのうち自分で読んでみたい。

2章は宇宙の膨張とハッブル定数の解説。一般的でとりたてていうことはない。

3章は「宇宙の年齢」がテーマなんだけど、ここでいくつか疑問が。
自然界に放射性元素が存在するという事実は、それ自体、有限な寿命の元素が存在するという証拠である。もし寿命が無限ならば、式[3・1]により、放射性元素はずっと以前に他の元素に変わってしまっていて、もはや存在しないだろう。

この文はちょっと理屈が理解できなかった。放射性元素の寿命が無限だったら、他の元素に変わることってないような気がするんだけど。それとも、この文中の「もし寿命が無限なら」の寿命って、宇宙の寿命のことだろうか。それならば「宇宙の寿命が(現時点でも)無限ならば、放射性元素はすべて半減期をとっくに過ぎてるから存在しないだろう」と読み替えができて、納得がいく。しかしそう言いたいのかはわからない。
さらに赤色巨星と超新星は、鉄よりも重いいろいろな元素を合成する。自然界に存在する周期表上の約100種類の元素は、すべてこのようにして作られる。

あれ? 赤色巨星って核融合で鉄までしか作らないと思ってたんだけど。

第4章は空間の無限と有限について。かなり抽象的で、初めてこの話題に触れる人には理解しにくいかもしれない。ボクとしては「境界があるからといって有限だとは限らない」というのがわからなかった。有限とは限らない、ということは無限ということですよね。境界があるけど無限って、どんな状態だろう。境界がないけど有限ってのは球体などがその例になるのでわかりやすいんだけど。
カントールの理論によれば、次の二つの数列は同じ無限を表している。
n=1,2,3,4,5....
m=2,4,6,8,10....
(中略)カントールのこの議論は、一字一句そのままに、宇宙の膨張に適用できる。

もしこの議論をそのまま宇宙に適用すると、宇宙はどれだけ過去にさかのぼっても(=無限のメンバをいくら割り続けても)無限の大きさを持っていることになる。そして0に達した瞬間に突然大きさも0になる。インフレーション理論は宇宙開闢後10^-36秒から10^-34秒の間に宇宙が10^30の大きさに急激な膨張したと予想しているが、0から無限の大きさへの膨張なんてインフレーションの比じゃないくらいでかい。宇宙が無限か有限かってのは、体積がどうこうじゃなくて、閉じてるのか開いているのか、つまり膨張を続けるのか縮小に転じるのかってことだと思うんですけど、違うんでしょうか。

5章はダークマターについて。
光子の平均質量は1.1×10^-36gであるから、もしニュートリノの静止質量がゼロならば、宇宙の平均質量密度への光子の寄与は、1.1×10^-36×400=4.4×10^-34g/cm^3<<ρcにすぎない。

ダークマターの話をしてるんだから、質量ってのは重力効果を持つことですよね。光子ってのは当然光速で走ります。そして相対論からの帰結として光速で走るものは質量を持ちません。だから光子の質量ってのは、エネルギーを静止質量に換算したものに置き換えられていうのが普通だと思います。つまり、重力質量は持たないと思うんです。なんかボクが勘違いしてるのかなあ。

6章は熱力学第二法則、つまりエントロピーと宇宙の関係。普通宇宙内においてエントロピーが減少してるようにみえるのは(銀河の形成とか)短時間的なことであって、長いスパンでは熱平衡に向かっているという熱的死を予想しますが、重力のある系ではまったく違う振る舞いをすることが示されます。これはちょっと驚き。

続きます。
人類は、人類が存在するという、まさにその事実によって、宇宙が有限か無限かという難問に立ち向かうべく運命づけられている